ウィズコ通信“道”4月号 今月のコラム

「令和3年度税制改正大綱」より贈与税・相続税に関するポイント

こんにちは。資産コンサル部の上屋(かみや)です。
4月1日より、管理センターにアパマンショップあま店から髙村が異動になりました。これまで、管理部、リフォーム部、経理がある本社事務所は40代以上のメンバーばかりだったので、20代の髙村が配属になり、すこし事務所が若返るかと思いましたが、髙村は意外と趣味や嗜好がオジサンのようで私たちオジサンとも話が合い、ちょっとホッとしています(笑)
さて、今回は「令和3年度税制改正大綱」より贈与税・相続税に関する内容をご紹介します。

●教育資金の一括贈与の非課税措置の見直し

本制度は2013年4月1日から2021年3月31日までに、祖父母等から孫等(30歳未満の方に限ります)への教育資金の贈与について、孫等1人につき1,500万円を限度として贈与税が非課税になる制度が、2年延長になり2023年3月31日までとなりました。

しかし、贈与者の死亡時における相続税の課税対象が拡大されました。現行では死亡前3年以内に贈与されていた資金の増額は相続税が課税されるのに対して、改正後は資金の残額は全て相続税が課税されることになりました。(ただし、受贈者が①23歳未満、②学校等に在学している、③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している のいずれかに該当する場合を除く)
 また、贈与者の死亡時に、孫やひ孫に贈与されていた資金の残額があった場合についても、現行では、相続税額の2割加算の適用はありませんでしたが、今後は相続税額の2割加算の適用があります。 そのため、今後は出来るだけ早めに行うことが重要になってきます。

●結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の見直し

本制度は祖父母や両親が20歳以上50歳未満の子どもや孫に、結婚・子育て用のお金を1,000万円の範囲までは非課税で贈与ができる制度で、こちらも2021年3月31日まで適用でしたが、2023年3月31日まで2年延長しました。

こちらも教育資金の一括贈与と同じく、相続税の課税対象が拡大されます。贈与者の死亡時に孫やひ孫に贈与されていた資金の残額がある場合、現行では相続税額の2割加算の適用はありませんでしたが、今後は2割加算が適用されることになります。また、2022年4月1日以降は民法改正に伴い、受贈者の年齢要件を引き下げます。(成人年齢変更の為)現行では受贈者は20歳以上50歳未満ですが、18歳以上50歳未満に変更されます。
 教育資金も結婚・子育て資金も節税目的での利用を是正するための改正のようで、本来の目的である若い世帯へ資金をシフトさせ、しっかり利用してもらうことを実現できる為の改正となっているようです。

●住宅取得等資金の一括贈与の非課税措置の見直し

住宅取得等資金の贈与税の非課税制度とは、受贈者(直系卑属である20歳以上の子・孫・ひ孫)が自己居住のための住宅用家屋の新築等(中古住宅・増改築・マンションも含む)に充てるための金銭を、贈与者(直系尊属である父母・祖父母・曾祖父母)から贈与によって取得した場合、一定の要件を満たせば非課税限度額までの金額の贈与税が非課税になる制度です。

令和3年1月1日以後の贈与分より、非課税限度額が右の表のように引き上げとなります。
令和3年4月1日~12月31日中に宅用家屋の新築等契約を締結した場合の非課税限度額を令和2年4月~令和3年3月の契約締結と同額に引き上げとなりました。
また、住宅用家屋の床面積の下限を引き下げました。

これは、独身者や夫婦だけの方など、少人数家族が増えた為、1LDKなどの住宅にも適用できるように、住宅用家屋の下限を、現行では50㎡~240㎡以下であった床面積を、40㎡~240㎡以下に引き下げました。
しかし、投資家などがこの非課税措置を利用して、収益目的で購入することを避けるため、贈与年分の受贈者の所得が1,000万円以下である場合のみとしました。
 

◎相続税、贈与税の今後について

現在の日本の税制では、元気なうちに家族などに何年かかけて贈与税の基礎控除110万円を利用して財産を贈与すれば、少額の贈与税負担(もしくは負担なし)で財産を移転させることができ、将来の相続税を軽減させることが可能です。そのため、相続税負担の大きい富裕層の節税対策として、主に利用されており、結果として資産格差が固定化しています。

そこで、国は贈与税と相続税を一体化し、トータルとして節税できないような仕組みに変えていくのではないかと思います。
相続税の計算の際には、「生前に贈与した財産額を相続財産に加算して計算する」といった方向で税制を変更していく事でしょう。
現にアメリカでは、生前贈与財産は全て相続税の課税対象となりますし、ヨーロッパ諸国でも国によって多少の違いはありますが、相続開始前7~15年程度の贈与財産を相続税の課税対象財産として課税する制度となっています。

一方、日本では相続時精算課税制度においては贈与財産が全て相続税の課税対象となるものの、従来の暦年課税制度では、相続開始前3年分のみが課税対象と限定されていますので、この暦年課税制度に見直されるのではないかと考えられます。(このことは今回の税制改正大綱の中にも記述がありました。)具体的な改正内容や改正時期は今後の議論次第ですが、最低でも2~3年はかかるのではないかというのが専門家の見解です。そこで大事になるのが「今後制度が改正されるまでの間にどれだけの贈与ができるか」になります。

今後は改正までに、これまで以上に積極的な贈与を行う必要が出てきました。なぜなら、制度がいつ改正されても、改正前に贈与済みのものについては、現行制度の適用を受けると考えられるからです。
これまで、贈与税を払わないように110万円以下で暦年贈与を毎年行っている方も、贈与税がかかっても300万円の贈与の方がお得になるかもしれません。節税を考えている方にとっては、「新制度の対象にならない贈与をいくらできるか」が、これから数年の勝負になります。これは家族構成と財産総額しだいとなりますので、気になる方はぜひ当社へご相談ください。

注)記事中の税制の内容は2021年4月現在の内容に基づいています。


資産コンサル部 上級相続支援コンサルタント
上屋 雅樹(うえや まさき)
※本名は「かみや」ですが同店舗にもう一人「神谷」がいるので社内では分かりやすく「うえや」にしています。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士2級建築施工管理技士の有資格者。賃貸7年、売買17年の実績で西尾張の不動産ならどんなことでもご相談ください。

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