ウィズコ通信“道”5月号 今月のコラム

「賃貸住宅管理業法」について

こんにちは。資産コンサル部の上屋(かみや)です。
この記事を記入しているのは5月の連休明けになりますが、またまた愛知県でも緊急事態宣言が出ると発表されました。変異ウイルスが蔓延していますので、本当にオリンピックも難しくなってきましたね。
さて、今月は6月に開始される「賃貸住宅管理業法」についてご説明したいと思います。
すでに皆さまもご存知かもしれませんが、賃貸住宅管理業が登録制となることになりました。賃貸住宅の管理をするには一定規模以上の場合、国土交通大臣の登録が必要となりました。
もう一点は、サブリース契約の適正化についての内容となりますので、今回は賃貸住宅管理業の登録制度を中心にご説明したいと思います。

●賃貸住宅管理業とは

今回の法律で既定されている賃貸住宅管理業は、「賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、管理業務を行う事業」の事を言います。
賃貸住宅は①居室 ②居室の使用と密接な関係にある住宅のその他の部分(玄関、通路、階段等の共用部分、居室内外の電気設備、水道設備、エレベーター棟の設備など)が対象となり、居住の用途に使われるものに限られる為、オフィスや倉庫などの事業用のものは含まれません。
ウィークリーマンションなども長期のものは該当しますが、数日単位の利用の場合は、ホテル業となる為、対象とはなりません。
また、管理業務に関しては、①賃貸住宅の維持保全 ②家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理(①と併せて行うものに限る)としておりますので集金管理のみの場合は管理業務とはなりません。
賃貸住宅の維持保全には、建物の点検・清掃等の維持を行い、これらの結果を踏まえた必要な修繕を一貫して行うこととしています。
自社で修繕をしなくても修理業者への発注だけでも維持管理に該当することになります。

●賃貸住宅管理業者の登録義務について

登録義務が発生するのは、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者となります。200戸未満の場合の登録は任意となります。
主な規制内容として 
 ①業務管理者の配置
 ②管理受託契約の締結前・締結時の書面交付等
 ③金銭の分別管理
 ④定期報告
について定められています。
この登録制度は令和2年6月15日からになりますが、1年間の経過措置がありますので、登録業者はその間に業務管理者の配置を完了させて、登録することが必要になります。
登録は1年間の経過措置がありますが、行為規制に関しては令和2年6月15日から発生しますので、登録がなくても200戸以上の管理をする場合には、規制が発生します。

●業務管理者の配置について

業務管理者とは、宅地建物取引業者の宅建士のような資格であり、賃貸住宅管理業はその営業所又は事務所ごとに、1人以上の業務管理者を選任することになります。
業務管理者の義務として、
 ①管理受託契約の内容の明確性
 ②賃貸住宅の維持保全の実施方法の妥当性等についての管理及び監督
となっております。
これまで民間資格であった「賃貸不動産経営管理士」資格者が移行講習(約2時間)を受けるか、実務経験が2年ある宅地建物取引士が指定講習(約10時間)を受けるか、登録試験に合格することで業務管理者となることができます。

●管理受託契約の締結前・締結時の書面交付について

これまでは管理受託契約時には、受託契約書の書面交付のみでしたが、今後は管理受託契約前には、宅地建物取引業と同じく重要事項説明書をすることになります。
不動産取引の場合は、宅地建物取引士が重要事項説明書を説明する義務がありますが、管理受託契約前の重要事項説明書は、業務管理者が管理監督できる状態であれば、有資格者でなくても行うことができます。
しかし、内容が専門的な知識や経験が必要になるので、これまでの賃貸不動産経営管理士などの資格を有する者が説明することが望ましいとされています。当社の管理部担当は全て賃貸不動産経営管理士の資格者となっております。
契約時の書面交付は、これまでの管理受託契約書となりますが、今回説明する項目も指定されたので、今後はその内容を掲載した契約書の発行が必要になります。

●分別管理について

これまで規定がなかったことが不思議でしたが、今後は管理業者自己の財産と管理業務において受領する家賃や敷金等の金銭を分別して管理することになりました。
分別管理の方法として、①口座で分別し ②帳簿や会計ソフト上で分別して管理する ことが必要になります。
契約毎に口座を分ける必要はなく、自己の固有財産と分別してあれば良い事になります。
サブリース賃料は、管理業務において受領する家賃ではなく、賃貸借契約に基づいて自ら受領する家賃である為、分別管理する必要はなく、自己の固有財産となります。

●定期報告について

これまでも送金明細などで定期報告をしておりましたが、定期報告に関しても報告すべき事項が定められました。
 ①報告の対象となる期間
 ②管理業務の実施状況(家賃等の金銭の収受状況、維持保全の実施状況等)
 ③入居者からの苦情の発生状況及び対応状況
を最低限の事項としていますが、これ以外にも賃貸人の求めに応じて報告することが望ましいとしています。
また、報告は最低年1回行うことを法令で義務付けしております。
報告は書面によらず、メール等の電磁的方式によることも可能とし、報告書のデータを適切に保存することとしております。

●現行の賃貸住宅管理業登録制度との関係について

これまでも関係団体等で行っていた登録制度に関しては、令和3年3月1日受付をもって停止しております。
これまで適正に管理業を行ってきた業者に対しては、事業者番号における更新回数を+1して登録を行うことになります。
 (例) 登録番号 国土交通大臣(2)第1833号 (当社番号の場合)
既存の登録者は永遠に+1となる為、初期メンバーとして永遠にアドバンテージを受けることになります。登録番号の(1)は新規で登録をした業者と分かるので管理会社を選ぶ基準にもなります。
令和4年6月15日までは経過措置がある為、この登録番号のない業者もありますが、それ以降は業が行えなくなる可能性がある業者となるので、注意が必要になります。

注)記事中の制度は2021年5月現在の内容に基づいています。


資産コンサル部 上級相続支援コンサルタント
上屋 雅樹(うえや まさき)
※本名は「かみや」ですが同店舗にもう一人「神谷」がいるので社内では分かりやすく「うえや」にしています。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士2級建築施工管理技士の有資格者。賃貸7年、売買17年の実績で西尾張の不動産ならどんなことでもご相談ください。

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