ウィズコ通信“道”6月号 今月のコラム

「瑕疵と事故物件」について

こんにちは、資産コンサル部の上屋(うえや)です。
私事ですが、先日、お手頃な中古住宅が売りに出ていたので購入しました。これまでは実家のローンの支払いもあり、当社管理物件を賃借していましたが、以前のコラムでも記載しておりましたが、実家の相続が発生したこともあり、実家に住むこともなくなったのでお手頃な戸建てを探していました。
築10年程でしたが、とても状態が良く、ほぼリフォーム無しで入居できました。
こうなると、カーテンや照明、カーポートも付いているので新築戸建てよりも、とても満足しております。
今回は不動産取引に一番注意する「瑕疵」についてと、先日ニュースにでておりました「事故物件について」をお話ししたいと思います。

●瑕疵とは

「瑕疵」とは設備不良や、取引の目的である土地や建物に何らかの欠陥があること言い、物件の不具合のことを言います。
瑕疵には雨漏りや設備不良などの「物理的な瑕疵」だけでなく、接道義務をはたしていない為、再建築ができないなどの「法律的な瑕疵」や振動問題や騒音問題などの「環境的な瑕疵」、物件内で自殺や殺人などがあった場合の「心理的な瑕疵」の4つがあると言われます。
賃貸物件の場合、この中の「法律的な瑕疵」は建築行為もない為、あまり問題になることもありません。
しかし、「環境的な瑕疵」は振動問題や騒音問題などは現地を確認すれば分かりますが、近隣工場からの異臭などは住んでみないと分からないため、入居後に問題になることがあります。
また、雨漏りなどの建物の不具合の「物理的な瑕疵」や自殺や事故死などの「心理的な瑕疵」が問題になることが多いようです。

●心理的瑕疵物件(訳あり物件)について

4つの瑕疵のうち、俗に言う“訳あり物件”や“事故物件”と言われるのは、「心理的な瑕疵」です。
不動産広告内に「告知事項あり」になっているものは、先程の4つの瑕疵の内、なにかが該当するものになりますが、賃貸の場合は、ほとんどが「心理的な瑕疵」となります。
しかし、この「心理的な瑕疵」については明確な規定がなく、事故後2~3年したら告知しないや、2人目以降は告知されないことも多いようで、契約後のトラブルとなることが多いようです。
さらに、仲介業者が知っている情報を隠して虚偽の報告をすることは違法となるため、お客様より「過去に事件や事故が起きた事はありませんか」と聞かれた場合には知っていれば、伝える必要があり、契約前に行う重要事項説明書にて事故物件であることを記載して説明することになります。

●事故物件の告知ガイドライン案が発表

国土交通省は5月20日に、事故物件についての告知義務が発生する事項についてガイドラインを発表しました。これまでは不動産会社ごとの判断に任せていたため、一定の規定を設けることで業者ごとの対応に差をなくすことが目的です。
このガイドライン案には強制力はないため、これに違反した場合でも特に罰則はありません。
また、案として発表したもので、6月18日までに寄せられた意見をもとに夏頃には正式なガイドラインとして発表する予定です。また正式に発表となりましたら、このコラムでもお伝えしたいと思っております。

●「事故物件」指針案による告知対象

指針案の対象はマンションや一戸建てなどの住宅です。居室のほかベランダ、廊下など日常的に使う共用部を含め、入居者以外が死亡する ケースも対象になります。病気や老衰などの自然死、入浴中の転倒や食事中の誤嚥(ごえん)といった不慮の事故死は、原則告知は必要ないとされました。
これは当然予想され契約の判断に重要な影響を及ぼす可能性が低いためで、病死を告知対象とすると単身の高齢者入居受け入れに影響することを配慮したためです。
例外として、死亡後長期放置され、特殊な清掃を行った場合は告知対象となります。

●「事故物件」の告知対象について

殺人や自殺、火災やガス漏れによる事故死、原因不明の死は告知対象となります。
そして、賃貸借契約は過去の判例などから、おおむね過去3年間の事案が告知対象としましたが、売買物件は参考ケースが乏しいため、期間を当面は限定しないようです。
対象の事案があったかどうかは、不動産業者が通常の物件情報の収集範囲内で家主や管理業者に確認すればよいとし、周辺住民への聴き取りなど自発的な調査の義務まではないとしました。

●今後の検討課題は

隣接住戸や前面道路での事故については、今のところは告知対象外となっておりますが、今後検討されることになります。
これまでは、隣の家で殺人があればニュースや売主は当然知っていることになりますので、告知対象になると考えられていましたが、今回のガイドラインから判断すると隣地での事故は対象外となる可能性が高いと思います。
また、物件内で事故が発生したものの、運ばれた病院で死亡した場合が告知対象になるのかも今後の検討課題となります。

●これからの対策として

殺人や自殺など事件は予測が難しいですが、単身の高齢者が病死や自然死でも発見が早ければ自然死扱いとなり、告知対象とはなりません。
(発見が遅れて、遺体が腐敗し、特殊清掃が行われる場合は告知対象となってしまいます。)
今後、高齢者の契約が増えるのは間違いありません。高齢者を対象に定期的に連絡を入れたり、電気の利用で安否を確認する見守りサービ
ス(入居者負担)などの検討も必要になると思います。 


資産コンサル部 上級相続支援コンサルタント
上屋 雅樹(うえや まさき)
※本名は「かみや」ですが同店舗にもう一人「神谷」がいるので社内では分かりやすく「うえや」にしています。
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士2級建築施工管理技士の有資格者。賃貸7年、売買17年の実績で西尾張の不動産ならどんなことでもご相談ください。

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