ウィズコ通信“道”3月号 今月のコラム

「ウッドショック」について

こんにちは。ウィズコ管理センターの川添です。

 この原稿を書いているのは3月上旬ですが、少しづつ暖かい日差しの日が増え、春がそこまできている事を日々実感しております。日差しだけではなく、花粉が多くなることでも、ヒシヒシと春を感じておりますが。。。とはいえ、やはり四季のある日本は良いなとつくづく感じる今日この頃です。  

さて、今回は長引くコロナ禍で、先行きの見えない『ウッドショック』が及ぼす影響についてお話したいと思います。

●そもそも『ウッドショック』とは

『ウッドショック』とは、輸入木材の急激な価格高騰のことで、アメリカや中国の木材需要が増えたことで、日本に木材が回ってこなくなったことが原因として上げられます。この状況は、1970年代に発生した『オイルショック』になぞらえて『ウッドショック』と呼ばれています。

 アメリカでは新型コロナウィルスの流行により、住宅建設は一時期落ち込んでいました。しかし、アメリカ政府が低金利政策を打ち出し、住宅購入をする人々が増加したことや海外投資家マネーがアメリカ国内に流入したことを契機に、アメリカの住宅建築需要が増加したため木材需要が急激に増加したことや、リモートワークやロックダウンが行われたことにより、「おうち時間」が増え、自宅の改修などのDIY需要が高まったことも、木材需要増加に影響を及ぼし、2020年5月のロックダウン解除後からその動きは一気に加速しました。

 また、中国ではいち早く新型コロナウイルスを克服したことを世界に公言し、景気が先行して回復したことから住宅需要が増えました。

 その結果、世界の木材がアメリカと中国に流れていきました。

 一方で、日本では2019年から2020年にかけて木材の輸入量が減少していた時期にあり、世界の中で木材の購買力が弱まっている状況でした。

 タイミング的に世界の木材が、購買力の強いアメリカや中国に買い取られた形になり、日本向けの木材が確保しにくくなってしまったのです。

 もともと世界中で山火事などが原因で木材が不足していた中で、コロナの影響による製材所の休業やコロナの流行によるトラックドライバー不足、輸出コンテナの不足などの要因も重なり、急増した建築用木材の需要に供給が追いつかなくなった結果として、価格の高騰が引き起こされたのです。

 輸入材に頼ってきた日本は国際間競争に巻き込まれやすい体質となっており、他国の需要が高まると購買力で負けてしまう状況にあるのです。

●『ウッドショック』が与える影響

①建築価格の上昇

 ウッドショックの影響で、日本の木材の価格は2020年の3倍まで高騰するかもしれないと言われています。建築業界では、当初の見積よりも着工時の木材価格が高騰してしまったために、建築のコストが上昇してしまう事態が多く発生しています。

 特に木造の平屋などの木材を多く使用する建物や、大規模な公共施設の施工への影響は特に大きく、建材だけにとどまらず足場や型枠用の木材すら不足している状態です。

 新築戸建て住宅売買の売り上げは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年4月に一度は大きく落ち込んだものの、急速に回復していましたが、輸入木材価格の高騰を受け、2020年8月にピークを迎えると、そこから一気に下落しています。

 また、建築会社も木材が入らないので、工事を受注したくても出来なくなる状況に陥り、資金が回らない状況となり、経営が厳しくなる建築会社も出てくると思われます。

 このように、ウッドショックは、新築戸建住宅の売買や建設業界にも大きな影響を及ぼしています。

 また、今後も新築価格が高騰すれば中古市場に顧客が流れてきて、中古不動産の価格が上昇する可能性もあります。

②木造賃貸住宅の工期遅れ

 木造賃貸住宅の場合は、建設に重要な木材が不足しているため、工期は遅れることが予想されます。

 入居者との契約は済んでいても引渡しが出来ず、家賃収入がないまま建築費の支払いが始まってしまうリスクも視野に入れておく必要があります。また、工期を守ろうとすれば、高い木材を使わなければいけなくなるので、建設会社から追加工事代金を請求される可能性もあります。

 工期が遅れそうな場合に、ローン返済スケジュールの調整が可能かどうかを金融機関へ早めに相談をするのがお勧めです。何も対策をしておかないと、最悪の場合数ヶ月の赤字になることも考えられます。 

 ③木材の高騰による内装材の値上げ

 木材などの原材料価格や物流コストの上昇などが原因で、一般的な住宅向けのクロスやベニヤ板・クッションフロアにも値上げの波が押し寄せています。 内装材の値上がりは、新築だけでなく、中古物件購入時のリフォームや賃貸物件の原状回復工事などのコスト増にもつながります。

 壁紙国内大手のサンゲツは2021年6月、壁紙や床材を2021年9月21日受注分から13~18%の値上げを発表。さらに2022年4月1日受注分からは18~24%と再値上げを発表し、過去最大の値上げ幅となります。

 また、塩ビ系の床材を主力とする東リも2021年7月受注分から、クッションフロアやカーペットの10~15%の値上げに続き、2022年5月2日受注分から壁紙や床材を15~20%値上げ。

 このほかインテリア大手のリリカラも2021年9月21日の出荷分から、壁紙や床材など商品全般について15~20%の値上げを発表しましたが、2022年3月1日出荷分より、壁紙を20~25%再値上げするなど、業界全体に値上げが波及しています。

 木材だけではなく、鉄鉱石、アルミニウム、塩ビ樹脂、ナイロン・ポリエステル繊維などの原材料価格も高騰しています。理由は、木材と同様、世界的な需要増加によるものが考えられます。

 内装業者の仕入れ値が上がれば、工事費が高騰するのは必至となります。

●ウッドショックの影響はいつまで続く?

ウッドショックがいつまで続くのか、という点については明確な答えは出ていません。

 「少なくとも2022年3月頃までは続く」という予想もありましたが、3月現在も収束の見通しは立っていません。ウッドショックの元々の原因となったアメリカの住宅需要の急増は昨年頭打ちとなり、減少傾向になりましたが、コンテナ不足による運賃の高騰については一向に収まる気配がありません。

 断定は出来ませんが、2022年以降も住宅価格の高止まりは続く可能性は高いと言えます。

 住宅価格の高騰や着工の遅延など、状況の違いに留意しつつ、最新の情報を集める必要がありそうです。

 価格高騰に対応できる効果的なリフォームの提案、住宅の購入、木造アパートや賃貸用戸建てをご検討中の方、中古収益不動産の購入を検討中の方など、不安な部分がある方は、お気軽にご相談ください。


ウィズコ管理センター 相続支援コンサルタント
川添 千佳(かわぞえ ちか)

宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント 有資格者
賃貸仲介では一宮店の店長を約7年、売買部へ転属後、ウィズコ管理センターへ。不動産全般すべて私にお任せください。

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