ウィズコ通信“道”7月号 今月のコラム

「大気汚染防止法の改正」について

こんにちは。今月は久々の投稿になる資産コンサル部の上屋(うえや)です。

 この記事を記入しているのは、7月初めですが、すでに梅雨明けして猛暑となっています。急な暑さに体が対応できていないのか、少々夏バテ気味になっております。

 さて、今月は令和4年4月1日にあった「大気汚染防止法」の改正について、ご説明したいと思います。

今回の改正は賃貸物件のリフォームにも影響が出るので、しっかり把握しておいてください。

  大気汚染防止法とは

 国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的として大気環境を保全するため、昭和43年に制定されました。

 当初は工場や事業場から排出する大気汚染物質について、種類、施設、規模ごとに排出基準を定めて、基準に適合しない場合の、改善命令や施設の使用停止について定められました。

 ばい煙や粉じんなどの汚染物質について、事業所に対する制限でしたが、その後、何度か法改正があり、健康被害が出た石綿飛散防止対策として、建物の解体、改造、補修を行う際に作業基準が設けられました。令和3年4月1日より対象建材が拡大となり、すべての石綿含有建材が対象となりました。

   今回の改正内容

 今回の石綿飛散防止対策については令和3年4月1日より「大気汚染防止法」の段階的な改正で規制しております。まずは時系列的に改正内容をご説明いたします。

 令和3年4月1日改正について  

 〇 規制対象の拡大

   これまで規制対象となっていた吹付石綿、及び石綿含有断熱材等だけでなく、石綿含有形成板等も

   規制の対象となり、作業基準が設けられました。作業計画を作成し、計画に基づいて作業を行う事

   になりました。

 〇 作業基準遵守義務者の拡大

         作業基準遵守の徹底のため、元請業者のみに課せられていた作業基準の遵守義務が下請負人にも課せ

   られるようになりました。

 〇 発注者へ作業結果の報告

   元請業者は、特定粉じん排出等作業が完了したときは、作業が適切に行われているか確認し、その

   結果を書面で発注者へ報告することが新たに義務付けられました。

 令和4年4月1日改正について(今回の改正内容)

 〇 事前調査結果の報告義務化

   一定規模以上の解体等工事※の元請業者又は施工者は、調査結果を事前に報告することが義務付け

   られました。報告は「石綿事前調査結果システム」からの電子報告となります。

 ※報告対象の工事

 ①床面積合計80平米以上の解体工事

 ②請負代金合計100万円以上(材料費及び消費税含む)の建築物の改造・補修作業

 ③請負代金合計100万円以上(材料費及び消費税含む)の環境大臣が定める工作物の解体・改造等工事

令和5年10月1日改正について

 〇 事前調査について、一定の知識を有する物(建築物石綿含有建材調査者等)にしか行わせることが

   出来なくなります。

   改正内容をまとめると

 昨年の法改正は、規制範囲や基準を遵守する者の拡大などが主となっていましたので、公的機関への

報告は必要ありませんでしたが、今回の改正からは施工前の調査報告を都道府県等に報告する必要が出て

きました。(石綿の除去工事計画については工事14日前までに労働基準監督署へ届け出る必要あり)

 今回、床面積80平米以上の解体工事や、請負代金合計100万円以上の改修・補修工事が報告対象と

なったため、賃貸物件でも床面積や請負金額で対象となる場合が多数出てきます。

 現状としては、報告する者の規制はなく、事前調査報告を電子システムで行うだけなので、それほど

影響はありませんが、令和5年10月の改正では報告するものも資格者となることが決まっています。

 改正の注意点としては、賃貸物件では床面積80平米以上の解体工事は、それほど多くはないですが、

請負代金が100万円以上の改装工事は珍しくありません。

 そのため、100万円未満にするために、工事を2回に分割して請け負う場合でも一つの工事として請け負ったものとみなされ、報告の対象となります。

 

 請負代金の合計額は、材料費も含めた作業全体の請負代金の額をいい。事前調査の費用は含みませんが、消費税が含まれます。また、請負契約が発生していない場合でも、請負人に施工させた場合の適正な請負代金相当額で判断します。

 現状では事前調査には資格は必要ありませんが、令和5年10月1日からは、下記のような資格者が行う必要があります。

         ①一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)

         ②特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)

         ③一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)

  当社の場合、一戸建て、マンションの住戸内部の改修、解体の時に事前調査が必要になるのですが、この場合は、③の「一戸建て等石綿含有建材調査者」で対応可能となりますので、早めに取得する予定です。

 また、事前調査結果は、所管の労働基準監督署へ報告が必要となるのですが、「石綿事前調査結果報告システム」でWEBから報告で完結します。(書面の受付も可)

 報告は令和4年4月1日以降に着工する工事となる為、すでに報告は始まっており、当社でも該当工事を

数件報告しております。

 

 今後は事前調査対象となる工事は、事前調査費用の負担が発生するようになると思います。また、石綿の処分費用負担も増えると予想されます。

 すでに建物解体では見積に事前調査費用が含まれ、価格が高くなってきています。リフォーム費用の高騰と合わせて、今後は解体費も考慮した工事が必要になります。


資産活用Div. 相続支援コンサルタント
上屋 雅樹(うえや まさき)

宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、相続支援コンサルタント 有資格者
あま市在住。地域の不動産売買は私にお任せください。

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